2020年に東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるのはご存知の通り。1964年の東京オリンピックから半世紀以上を経ての待望の日本開催となるわけですが、オリンピックといえば欠かせないのが聖火でしょう。オリンピックの象徴として開催期間中灯され続け、スポーツマンたちの勝負の行方を見守る存在です。
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーの大まかなルートも決定しました。今回はオリンピックに欠かせない聖火を会場まで運ぶ聖火リレーの起源や歴史、意味や万一消えてしまったらどうなるのかなどチェックしてみましょう。
まずは聖火の起源や歴史をチェックしよう
聖火の起源は古代オリンピックの時代にまで遡ります。紀元前776年に行われたオリュンピア祭が記録に残っている最も古いオリンピックです。これ以前にも開催されていたそうですが、記録がないためこの紀元前776年に開催されたものが第一回と考えられています。
オリュンピア祭はギリシャ神話における最高神、ゼウスに捧げる競技大会。ギリシャ神話において火は、ゼウスの反対を押し切ってプロメテウスが人間に火を与えたとされており、当時のギリシャの人々にとってとても神聖なものでした。
オリュンピア祭の期間中にはゼウスとのその妻ヘラの神殿にこの二柱の神を称える為火が灯され、これが聖火の起源だと見られています。
なんと聖火の起源は古代ギリシャにまでさかのぼるんですね。古代オリンピックは361年まで続いたと見られていますが、それ以降キリスト教の広まりにつれて行われなくなりました。
そしてオリンピックは近代オリンピックとして1896年に蘇ることになりますが、聖火も同時に蘇った、というわけではありませんでした。
聖火の復活、聖火リレーの誕生
近代オリンピックに聖火が登場するのは1928年のアムステルダムオリンピックから。当時のオリンピックスタジアムの設計者がスタジアムに灯を設置し火を灯し続けるというアイデアを取り入れたといいます。
このアイデアは「聖火」として、その後のオリンピックの象徴となるようになります。
そして近代オリンピックに聖火が登場してからさらに8年の月日が経った1936年、ヒトラー政権下のドイツ・ベルリンで行われたオリンピックにて初めて聖火リレーが導入されます。
このベルリンオリンピックにおいて、プロパガンダ効果を狙って聖火リレーが発案されたのです。オリンピックの発祥の地であるギリシャ・オリンピアで採火した聖火をオリンピック会場に運ぶことによって、ゲルマン民族こそがヨーロッパの優れた文明の継承者であることをアピールする狙いもありました。
この1936年のベルリンオリンピックから毎回聖火リレーは行われるようになります。2004年のアテネオリンピックでは、初めて世界規模での聖火リレーが行われました。また2008年の北京オリンピックでは世界最高峰、エベレストの山頂を通過するなど規模も大きくなり、様々な工夫が凝らされるようになりました。
万一聖火が消えたらどうなるの?
では、万一聖火が消えてしまったらどうするのでしょうか?
聖火リレー中には思わぬアクシデントもあるかもしれません。実際2014年に開催されたソチ冬季オリンピックでは聖火リレーの途中で数回聖火が消えています。
その際に何と「ライターで再点火」したことがニュースになったので記憶にある方もいらっしゃるでしょう。とっさにそうしてしまったのだと思いますが、これはNGです。
聖火はギリシャで採火され、長い距離を運んでくるので万一の際にも対応できるように聖火とは別に火種が保管されています。消えてしまってもその火種から再点火するようになっているので安心ですね。
2020年に日本で行われる聖火リレーでは、もし消えてしまってもきちんと火種から再点火してほしいものですね。
まとめ
・聖火の起源は古代オリンピック
・聖火リレーが初めて行われたのは1936年のベルリンオリンピック
・聖火が消えた際には、別に保管してある火種から再点火
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