名古屋グランパスの平均観客数は何人?年度別入場者数推移から見てみる

サッカー

名古屋グランパスのホームゲームはスタジアムが観客でいっぱいになります。チケットも早くに売り切れてしまうこともあります。しかしこういった状況は最近のことで、数年前まではスタジアムの観客席には余裕があることが珍しくありませんでした。

ではなぜ今は観客が増えているのでしょうか。年間入場者数、1試合平均入場者数を確認しながらまとめてみました。

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年度別入場者数推移をグラフにしてみてみると…

まずはJリーグが発足した1993年からこれまでの

年間試合数、年間入場者数、その年の1試合の平均観客数

を年ごとに見ていきましょう。

年 年間試合数 年間入場者数 その年の1試合の平均観客数
1993年 18試合 357,451人 19,858人
1994年 22試合 480,518人 21,842人
1995年 26試合 558,032人 21,463人
1996年 15試合 325,482人 21,699人
1997年 16試合 236,001人 14,750人
1998年 17試合 237,889人 13,993人
1999年 15試合 220,321人 14,688人
2000年 15試合 211,716人 14,114人
2001年 15試合 254,607人 16,974人
2002年 15試合 244,848人 16,323人
2003年 15試合 251,523人 16,768人
2004年 15試合 235,686人 15,712人
2005年 17試合 225,896人 13,288人
2006年 17試合 253,702人 14,924人
2007年 17試合 264,939人 15,585人
2008年 17試合 281,442人 16,555人
2009年 17試合 270,773人 15,928人
2010年 17試合 339,638人 19,979人
2011年 17試合 284,590人 16,741人
2012年 17試合 291,632人 17,155人
2013年 17試合 274,297人 16,135人
2014年 17試合 284,474人 16,734人
2015年 17試合 276,082人 16,240人
2016年 17試合 301,396人 17,729人
2017年 21試合 322,672人 15,365人(J2リーグ)
2018年 17試合 419,218人 24,660人
2019年 13試合 357,461人 27,497人(2019年10月7日段階)
参考:data.j-league

 

1試合の平均観客数は増えてるの?

Jリーグが開幕した1993年のJ1は10チームで始まり、1994年は12チーム、1995年は14チームとチーム数は少ないものの、年間で4回同じチームと対戦するため試合数が多く1995年までの入場者数は35万人を超え、高い傾向にありました。

またサッカーそのものがブームになり、盛り上がったためか、1試合平均の入場者数も2万人を超える数字が出ています。

1996年はチーム数が16となり、年間で同じチームと2試合行うことになりました。そのため試合数は前年より11試合減少の15試合となり、年間入場者数は20万人以上減少します。

しかしこの年の名古屋グランパスは好調で年間順位は2位でシーズンを終えています。1試合平均入場者数は1995年とほぼ変わらない2万1千人を記録していました。

 

その後、年間入場者数は20万人から30万人の間を推移し、1試合平均入場者数も1万3千人から1万7千人あたりでした。

初優勝をした2010年で年間入場者数は33万9千人、1試合平均入場者数は2万人弱を記録しますが、2015年まで年間入場者数は30万人を越えることはなく、1試合平均入場者数も1万6千人から1万7千人でした。

 

しかし2016年に16位になり、2017年はJ2で戦うことになりました。このあたりから年間入場者数が30万人を超えるようになります。

翌年2018年にはJ1に復帰し、41万9千人を記録します。これは2005年にJ1が18チームになってから最高記録で、1試合平均入場者数も2万4千人を超えました。

2019年もまだシーズン途中ですが10月7日現在で1試合平均入場者数が過去最高の2万7千人を超えています。

 

ということで、

Jリーグ発足当初は、流行りもあってか入場者数も上々、その後下降傾向。(1993年から2019年10月7日段階において、2005年が1試合の平均入場者数の最低値13,288人。)

2016年あたりから年間入場者数が30万人超え。

1試合の平均入場者数はざっくり2万人台→1万3千人台→2万人台と推移しており2019年現在はV字回復後、増加傾向にあると言えます。

 

回復理由はマーケティングにあり!

昨今V字回復の理由はどこにあるのでしょうか?

 

転機は2014年のJリーグが行った「Jリーグ観戦者調査結果」に遡ります。

ここで「好きなクラブの応援」、「周囲で話題になっている」、「ホームタウンで大きな貢献をしている」という項目がJ1リーグ18チーム中最下位、「スタジアムでのイベント・グルメ企画が楽しそう」も17位ということで、関係者は観客数の伸び並みとともに散々な結果を突き付けられることになります。

 

で、この時、何をやったのか?

 

観客の情報を得るためにチケットをJリーグ公式チケット販売サイト「Jリーグチケット」から購入するように働きかけ

・性別や年齢層などを把握することによりターゲットを絞った告知が可能

→「Jリーグチケット」の会員数増加(2016年は3万1200人→2018年では11万7800人)

・観客がスタジアム観戦をするか決めるのが、大体試合の4週間前とわかる

→ホーム戦PRのテレビCMを4週間前から流す

 

イベント実施後必ず評価を行い、SNSでは試合の告知だけでなく選手の動画メッセージなど情報発信

・監督や選手、マスコットであるグランパスくんファミリーもPRや地域貢献に積極的に参加

 

入場者数を伸ばすために、小中学生1万人無料招待や来場者全員に特製ユニフォームをプレゼント

・子供を無料にすれば大人の入場者数が増えるし、観客の情報も把握できるので告知しやすい

・子供が気にいれば大人がファンクラブに入る

・プレゼントが欲しいので来場する

→ファンクラブへの加入者数が増加(2016年は1万4410人→2018年は2万1893人)

 

女性来場者UP企画でイベント「ガールズフェスタ」を開催

・女性専用デザインのユニフォームを1万人に配布

・資生堂の商品を使った応援メイクのブース

→来場者の女性比率は通常18%であるのにこの時は35%まで上がった

 

これら活動によって2014年のJリーグ観戦者調査結果でJ1のチームで最下位だった「好きなクラブの応援」は2017年にはJ2に降格したにも関わらずJ1、J2合わせた40チーム中19位まで上昇しました。

漠然と試合運営をこなしていたクラブが細かくマーケティングを行い、スタジアムにサッカーを観に行きたいと思わせる運営ができるようになってきた結果ですね。

 

人とスタジアムとの動線をしっかり引いてきているなと思います。他の業種も同じですよね。「なんだか楽しそう」と思ったらなんとなくそこに行っちゃいます。なおかつ気に入ればリピーターにもなりますし。

 

まとめ

・1試合の平均入場者数は2015年あたりまで低調だったが、ここ数年で目覚ましく伸び、2018年は2万4千人超え

・平均入場者数は2万人台→1万3千人台→2万人台と推移しており、近年増加傾向にある

・2014年の「Jリーグ観戦者調査結果」をきっかけに「Jリーグチケット」からのチケット購入を促進し、観客の属性を分析

・観客の属性に合わせたサービスや告知を行うことで業績回復

参考:
biz-journal
headlines.yahoo

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